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「やる気に関する驚きの科学」を子供達の教育に当てはめてみる

2023/06/11
 
この記事を書いている人 - WRITER -
子ども達がオンリーワンの才能や情熱を育み、 主体的に力強く生きていくナチュラルラーニング/アンスクーリングで子育て中のオーストラリア在住2児の母です。一度しかない人生、親も子も時間や場所、固定観念に縛られず自由に自分らしく生きていこう!と自ら実践中♪薬に頼らない健康法や、オーガニックでヘルシーで美味しくて体が元気になるお料理を実行したりといった出来るだけ自然に寄り添う暮らしの中で楽しむアンスクーリングライフをご紹介しています。

これからの時代に人を動かす動機付けの方法とは?

 

 

この記事を書いた私は?

 

 

オーストラリアで二人の子供(10歳と5歳)を

ホームスクーリング(学校に行かない教育法)

そのうち特にアンスクーリングと呼ばれる方法で

育てています。

 

「ホームスクーリングをしています。」と言うと

「勉強を家で教えているのですか?大変ですね!」とか

 

「コロナで自宅待機時に子供に勉強させるのがむちゃくちゃ大変でした。

それを毎日やっているなんて凄いですね!」

といったお話をされるのですが

 

とにかく子供達に勉強の「やる気」を起こさせることが

大変云々ということをお話されて

 

「それを毎日やっているあなたは大変でしょう」

といった旨を話されるのですが

 

私はいつも「いやそんなことないですよ。」

と言うのですね。

 

そこから説明するのは結構長くなるので

「??」という表情の相手の疑問を解明することなく

別の話に移ることもあります。

 

そこで今回は、子供達を叱咤激励して勉強をさせることに

四苦八苦されている先生や親御さん達に

今回はダニエル・ピンク氏の「やる気に関する驚きの科学」という

TED 講演をご紹介したいと思います。

 

ピンク氏のこのTED Talkも私が大好きなTED 講演の一つです。

 

20世紀的な動機付け(やる気の出し方)とは?

 

 

人々にもっと働いてもらおうと思ったら報酬

(ボーナスやコミッションなどのインセンティブ)を与えるというのは

成功報酬的な動機付け、つまり「これをしたら、これが貰える」

(If Then方式)と呼ばれます。

 

現行のビジネス界ではまだこの成功報酬的な動機付け

つまり報酬というアメを与える方法が最も一般的ですね。

 

しっかり働けないのならば減給や解雇、

つまりアメとムチという外的動機付けに頼っています。

 

この「これをしたら、これが貰える」方法は

20世紀的な作業の多くでは実際にうまくいきました。

 

人々を服従させるのならば伝統的なマネージメントは機能します。

しかし報酬と言うのは視野を狭め心を集中させるものだと

ピンク氏は言っています。

 

20世紀的な作業とは:

  • 単純なルールと明確なルールがあるような作業
  • 狭い視野で目の前にあるゴールをまっすぐ見ていればよい
  • ルーティン的ルール適用型 左脳的な仕事
  • ある種の会計 ある種の財務分析など
  • ある種のプログラミングといった簡単にアウトソースできるもの
  • 簡単に自動化できるもの
  • ソフトウェアのほうが早くできるもの
  • 世界中に低価格のサービス提供者がいるもの

 

つまりAIの台頭、経済活動のグローバル化によって

一番に失われていく仕事達の事ですね。

 

21世紀的な動機付け(モチベーションの上げ方)とは?

 

 

21世紀的な作業には、機械的なご褒美と罰というアプローチは

機能せずうまくいかないか害になるとピンク氏は言います。

 

しかも報酬が大きいほど成績は低くなり

金銭的なインセンティブ、つまり報酬は

全体的なパフォーマンスに対しマイナスの影響を与えるのです。

 

反対に内的な動機付けに基づくアプローチの方が成功します。

 

21世紀的な作業とは:

  • ルールはあいまいで答えは驚くようなものかそもそも答え自体がない
  • 複雑な問題を扱う
  • もっと右脳的でクリエイティブな考える能力を必要とする
  • 認知能力が多少とも要求されるタスク

 

これからのビジネスでやる気(モチベーション)を高めるものは?

 

 

自主性:自分の人生の方向は自分で決めたいという欲求

成長:何か大切なことについて上達したいという願望

目的:私達自身よりも大きな何かのためにやりとげたいと切望すること

 

やる気を高める3つの重要な要素の一つ「自主性」について

 

自主性が結果を出すGoogleの例

 

 

自主性を機能させるためにはまず人々に

適切に公正に間違いなく支払い、

お金の問題はそれ以上考えさせないことにするそうです。

そして人々に大いに自主性を認めます。

 

例)グーグルの20%タイム:

グーグルでエンジニアは仕事時間の20%を

何でも好きなことに使うことができ、

時間、タスク、チーム、使う技術、すべてに自主性が認められます。

 

グーグルでは新製品の半分近くが

この20%の時間から生まれているそうです。

 

ROWE (Results Only Work Environment) 完全結果志向の職場環境

 

 

ROWEの職場で働く人にはスケジュールがありません。

好きな時に出社でき

特定の時間に会社にいなきゃいけないということがありません。

 

全然行かなくてもかまいません。

ただ仕事を成し遂げればよいのです。

 

どのようにやろうといつやろうと

どこでやろうとかまわないのです。

そのような環境ではミーティングはオプショナルです。

 

そのような環境にしたら皆怠けて生産性は下がるのでは

会社は機能しなくなるのでは?と思いますか?

 

実はその反対でほとんどの場合生産性は上がり、

雇用期間は長くなり、社員満足度は上がり

離職率は下がる。

 

つまり雇用元も雇用される側も

どちらもハッピーということになるのですね。

 

科学が解明したこととビジネスで行われていることの間の食い違い

 

アメとムチ vs 自主性・成長・目的

 

 

以上をまとめると、20世紀的な報酬、ビジネスで当然のものだと

みんなが思っている動機付けは機能はするが

驚くほど狭い範囲の状況にしか合わないと

ピンク氏は訴えています。

 

If Then式の報酬は時にクリエイティビティを損なってしまい

高いパフォーマンスの秘訣は報酬と罰ではなく

見えない内的な欲求にあるのだと。

 

自分自身のためにやるという意欲。

それが重要なことだからやるという意欲。

 

科学知識とビジネスの慣行の間のこのミスマッチを正して

21世紀的な動機付けの考え方を採用すれば、

怠惰で危険でイデオロギー的なアメとムチを脱却し

 

私たちは会社を強くし多くのクリエイティビティを

必要とする問題を解決し

恐らく世界を変えることができるとピンク氏は締めくくります。

 

この「やる気に関する驚きの科学」は子供にとっても同じ

 

 

企業で人材のやる気を高めるのも

子供達がやる気を高めて日々育っていくのも

同じ人間育成です。

 

私は社会人の為の「自己啓発」の本を読んだりするのが大好きですが

それは大人の自分だけでなく、子供達への接し方や

育て方で様々な考え方やヒントを得ることが出来るからです。

 

「人間性経営学」と、名づけた新しい企業経営論を樹立し

経営塾を創立した天外伺朗さんが子供の教育に関して造詣が深く

「教育改革」に関する素晴らしい著書を執筆されているのも納得です。

 

私は学校教育でベースとなっている「テスト方式」「成績制」

には害あって利なしと思っています。

 

子供達は元々非常に好奇心が強く

世の中の事をどんどん知りたいという内側から湧き出る

強い欲求に突き動かされて生きているのです。

 

ところが学校に行くようになって

自分の知識にテストで点が付けられたり

期末に成績表をもらってくるようになると

 

自らの知る喜びや好奇心よりも

どれだけ点をもらえるかとか

どんな成績になる為に何を記憶すればよいかといった

外的な動機付けで勉強するようになります。

 

更にここオーストラリアでは良く勉強出来たり

模範的な授業態度だとシールをもらえたり

良く出来ました賞のスタンプを貰えて、貯めれて

 

それが充分貯まったら小さなおもちゃやお菓子がもらえる

なんてクラスもあると聞きました。

 

このように勉強することの動機が

自分の内側から溢れ出る「知りたい」という知的好奇心でなく

 

「テストの点や物、誉め言葉」を貰うためという外的動機付けになると

そのうち「何かもらえないなら勉強したくない」

などということにもなります。

 

絵を描くのが大好きな子供達に「絵を描いたら○○をあげる」と

やっているうちに、元々絵が好きで時間さえあれば

絵を描いていた子供達が

 

○○がもらえないなら、と自由な時間に絵を描かなくなった

という実験についても聞いたことがあります。

 

外的動機付けは内的動機付けを消し去る力があるのですね。

 

アンスクーリングでは徹底的に

外的動機付けを排除した状態になるので

子供達は常に内的動機付けから学んだり

探究したりするわけです。

 

そうした日々の積み重ねが何をもたらすのか

なんとなく想像できるでしょうか?

 

ダニエル・ピンク「やる気に関する驚きの科学」

 

ダニエル・ピンクのTED動画、日本語訳付きです。

以下のYouTube動画をクリックしてスタートし

画面右下の吹き出しマークをクリックすると言語を選べるので

「Japanese」を選ぶと日本語字幕が出ます。

 

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